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みなさま、お待たせしました。束の間美術館ソイサバーイがいよいよバンコクのシラパコーン大学のギャラリーを中心に2月11日から17日までの一週間開館します。この美術館は、隙間だらけの誰でも忍び込めるような美術館で、どちらがナカでどちらがソトなのかわからない美術館でもあり、どこまでが美術館なのかすらよくわからないような美術館です。奈良美智さんがプーケットのひとたちに寄贈した名のないプーケット犬も、会期中はトラックに乗って束の間美術館に駆けつけて来てくれます。カタログは会期中にみんなで編集をして、タイが一年でもっとも暑くなる4月のソンクランの頃にできあがります。パリと日本の雪山の中で作っているこのウェッブサイトも少しづつ変化していきますよ。お楽しみに。

澤文也
数年前、graf media gmで澤文也さんの企画によるmy room somehow somewhereという展覧会を開催した。そして、my roomはその後ROOM AIRと名前を変えて台湾へと移動した。しばらくたって澤さんが奈良美智さんをグラフに連れて遊びに来てくれた。それをきっかけに奈良さんとグラフのコラボレーションによるS.M.L.展を開催した。S.M.L.は、その後ものすごい勢いで発展していき、この夏開催されるA to Zという壮大なプロジェクトへと育っていった。冬の寒いある日、Assorted Asian Tigersという展覧会をロンドンで開催して帰国した澤さんは僕にタイのカルチャーのおもしろさを蕩々と語った。数ヶ月後、澤さんと僕は展覧会の準備のためにタイへ向かった。そして1年半前の夏、グラフメディア・ジーエムで8月のタイ Welcome to Soi Sabaiという展覧会を開催した。そして、いつか今度はタイで展覧会をやってみたいねと話した。
これが僕たちがこのTemporary Art Museum Soi Sabaiへといたる超抜粋版の経過である。その間にグラフメディア・ジーエムでは、志賀理江子さん、伊藤利江さん、トーマス・トイヴォネンさんと坪井ねねさんが参加していたAULA、都築響一さん、ウィスット・ポンニミットさんの展覧会を開催した。今回のTemporary Art Museum Soi Sabaiではmy room以降に出会った数多くのアーティスト達がバンコクに集合する。僕たちの極めてプライベートな関係の上になりたつパブリックな美術館。それはTemporaryだけどSabaiな、タイのマッサージみたいな美術館に違いない。そしてTemporaryに始まるタイでの出会いが決してTemporaryに終わらないことを僕は経験上知っている。

豊嶋秀樹 (graf media gm)